東は長雨、西は猛暑が影響 ひなは不足気味に推移 食鳥協理事会

(一社)日本食鳥協会(佐藤実会長)は9月6日に平成29年度の第2回理事会を開き、29年度事業の実施状況などを報告した。
理事会の冒頭あいさつした佐藤会長は「我々が置かれている最近の状況は、もも肉は以前と比べて相場は下がってきたが、むね肉は安定的な水準で推移しており、根強い需要が顕著に表れている。9月に入り、鍋需要を控えて、もも肉も含めて需要がさらに拡大することを期待している。
ここ4年、このような状態が続いているが、生産加工や荷受にとって良い環境で推移しているのではないか。反面、小売りは高値で推移しているため、多少のご苦労はあると思う。生産加工、荷受、小売りの業態共々、良い状況で秋口に入ることを期待している。
輸出については、これまで香港を中心にイベントを開催していたが、9月21日から4日間かけてベトナムのホーチミンでイベントを行なう。ベトナムでは初めてで、現地の方々がジャパンチキンに対してどのような印象を持つのか、期待している。また、輸出先としての事前調査で今年はフィリピンが対象国になった」などと述べた。
各部会からは、鶏肉の需給動向について次のように報告された。
▽生産加工部会=生産状況は南北でかなり差がついた夏であった。南九州では暑さで体重を落としたが、東北は非常に順調で暑さの影響がほとんど感じられない夏であった。在庫も順調にはけているが、複数の会社からもも肉の荷余りがあるとの発言があった。育種改良や飼養管理の向上もあって、大きな熱死はなくなったと感じている。
技能実習制度については、これまでは5%×3年で日本人100人に対し15人が外国人であったが、これからは最大10%×5年で、10年、20年後には処理場の3人に1人が外国人になる可能性もある。地方の人口は減少しているため、我々も本格的に対応しなければならないと思う。
▽荷受部会=7月、8月の売れ行きは大変悪く、もも肉も凍結に回っていたが、お盆あたりで潮目が変わった。気温が低くて鍋需要が少し始まっており、売れ行きは活発化している。副産物も同じで手羽元、手羽先、内臓類も余すところなくきれいに片付いている。産地の人手不足により機械化が進み、手羽先や手羽元、ささみなど副産物の格外が出ていることが荷受としては悩み。
むね肉は加工品の原料として年内、来年も足りない状況が見えている。手羽先も中部地区は土地柄もあって不足状態が続いている。海外からのオファーも出てこない。
売れ行きは良いが、年末の玉を7月中に確保してきた。今後、荷物が多くなり余るようになると売れ行きが悪くなる可能性はあるが、9月までは南の産地が5%カットと聞いているため、9月、10月も荷物は不足すると思う。9月は連休が2つあり、産地も休むと聞いているほか、学校給食も始まった。
▽小売部会=7月は猛暑、8月は西日本で猛暑と局地的な雷雨、東日本で長雨と低温で業務卸、小売りとも売れ行きは悪かった。業務卸では居酒屋、焼き鳥とも悪く、新規店舗は増えているが、1店舗当たりの取扱量が減っている。〝ちょい飲み〟など立ち飲み業態が増えていて好調だった。病院、幼稚園、学校給食では挽き肉やカット肉などの細かい注文が増えている。
学校給食での鶏肉の取扱量が豚肉の10分の1ほどの地域もあり、何とかしてほしいという意見もあった。スーパーでは大型店が苦戦し、小型店が健闘している。
小売りも全般的に動きは良くないが、アニサキスの影響が長引き鮮魚の売り上げが落ち込み、畜産物の売り上げにプラス要因になった反面、天候不順がマイナス要因となった。生肉は猛暑により加工品にシフトし、お盆期間は関西ではインバウンドの影響もあり好調だった。購買単価も上がり売り上げが増えた。関東では長雨の影響を受け、客数が減り売り上げを落とした。各地イベントも天候次第で良いところと悪いところがはっきりした。
盆明け以降は生肉、加工品とも苦戦した。9月に入り気温も下がり、若干動きが出てきた。鍋物需要も少しずつ出てきており、野菜の高値が心配されるが、今年は鍋物の展開を例年より早めに仕掛ける必要があるのではないか。
水産、畜産とも半製品が増えており、魚屋さんや肉屋さんの総菜としてアイテムが増えている。全般的に輸入牛肉の取り扱いが増えており、焼肉用がよく売れている。小売り店頭ではスマホを見ながら買い物する人が若い世代に増えており、レシピ通りの決まった量を注文される。ささみは健康をキーワードに売れており、平日の夕方はサラリーマンやOLなどに売れている。弁当用の需要もかなりある。
仕入面では、心臓や軟骨などは昨年に比べ不足感がなかった。クリスマス関連ではUSレッグの品薄や、フィリピンからの輸入が止まったことから、手羽元にシフトする動きによって品不足になるのではないかとの予想もある。
▽種鶏ふ卵部会=年末のひな需給は不足する。9月から不足となり、11月中旬まで続くことは種鶏導入からも分かっていたが、相場が良い年は6月、8月、11月にコマーシャルえ付けが多い。まだ発表されていないが、8月のえ付けはたぶん多かったと思う。
9月第2週くらいから10月に向けて種卵を孵卵機にセットするが、現在は最高の貯卵数となっており、各社ともこれをはき出す形で10月は乗り切れるのではないかと思う。一番の問題は11月1日から15日までの入すう分で、オーダーカットにはならないと思うが不安は残る。東は涼しく、西は暑かった夏であったが、西でUSチャンキーの割合が多い会社はおそらく不足がかなり大きいが、東でUSチャンキーの割合が少ない会社は計画以上の種卵が出てくるのではないかと予想している。全体的に種卵のやり取りがスムーズにいけば、今年は何とか乗り切れるのではないかと思っている。
来年4月以降の増産意欲が非常に大きく、全国的に言えることである。確定していないが、かなり大きな数字になると思っているため、それに合わせた種鶏導入もすでに表れている。

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