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鳥インフルでシンポジウム 防疫対策強化に向けて情報共有 茨城県と茨城県鶏病研究会

2017.09.15発行
 茨城県と茨城県鶏病研究会は8月25日、水戸市の茨城県市町村会館で「シンポジウム・オブ・高病原性鳥インフルエンザ、H28―29シーズンの発生と検証」を開き、県内外から300人を超える関係者が参加した。
 主催者を代表して、茨城県農林水産部の今野憲太郎次長が「本日は茨城県の家保から35人、県外の家保から60人参加していただいた。いざ事が起これば第一線で活躍していただく家保の皆さんの関心が高いのは当然だと思う。一方で県内市町村の関係者や民間の養鶏生産者、飼料メーカーの担当者など、全体で320人弱の参加者と聞いている。鳥インフルエンザ問題への関心の高さがうかがえる数字である。本日は昨シーズンの発生状況や、ウイルスの遺伝子解析の結果、各県で実施した防疫対応について報告していただく。皆さんと情報を共有するとともに、総合質疑で活発な意見交換をお願いしたい。茨城県だけでなく、全国の今後の防疫対策の一層強化に役立てることができればと思っている」とあいさつした。
 シンポジウムでは、農林水産省消費・安全局動物衛生課の菊池栄作課長補佐が「わが国における高病原性鳥インフルエンザの発生状況」、(公財)日本野鳥の会の金井裕参与が「野鳥と鳥インフルエンザと養鶏場」、茨城県県北家畜保健衛生所病性鑑定第二課の都築智子課長が「茨城県における野鳥での高病原性鳥インフルエンザの発生の特徴」、農研機構動物衛生研究部門越境性感染症研究領域インフルエンザユニットの常國良太主任研究員が「国内で流行したH5N6亜型高病原性鳥インフルエンザウイルスの特徴」、千葉県農林水産部畜産課家畜衛生対策室の青木ふき乃主幹が「千葉県の防疫対応」、鹿児島県北薩家畜保健衛生所防疫課の大小田匡課長が「鹿児島県の防疫対応」、茨城県県北家畜保健衛生所病性鑑定第一課の大谷芳子課長が「茨城県の防疫対応」について講演し、東西産業貿易鰍フ奥山海平氏の司会で総合質疑(パネルディスカッション)を行なった。

28年度シーズン

 菊池課長補佐は、家きんで9道県12事例、野鳥で218事例の発生となった平成28年度シーズンの高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)について、「わが国では韓国と同様に、家きんへのウイルス侵入リスクは極めて高かったが、家きん飼養農場での発生件数は22年度シーズンに比べて半減している。これまでの経験を踏まえて全国的な防疫水準が向上し、万が一に備えて構築してきた防疫対策が有効に機能した結果だと考えられる」と振り返った。
 29年度シーズンも国内へのウイルス侵入リスクは高いままであるとし、「農場・家きん舎へのウイルス侵入防止や飼養衛生管理基準の順守、水際検疫、国内の研究体制と国際的な協力関係の強化、迅速で的確な初動体制などに取り組み、関係者が一体となって厳重な防疫体制を構築する必要がある」と強調した。

野鳥の事例

 金井参与は、28年度シーズンに22都道府県218事例で確認された野鳥へのHPAI感染について「感染のピークは11月から12月までで、1月以降は全体的に落ち着いていた。いくつかの特定の場所で大量感染が起きており、茨城県水戸市で56事例、鹿児島県出水市で30事例、兵庫県伊丹市と新潟県阿賀野市でそれぞれ15事例。人為的に給餌しているところの野鳥が感染した。大型の鳥類が多かったため、弱っているのが目に付きやすく、発見される割合が高いこともあるが、やはり人為的な給餌が感染を起こした要因であると思う。
 H5N6亜型ウイルスは、渡り鳥によって広範囲に動いたのではないか。日本では11月と早い時期に秋田、鳥取、鹿児島など広い地域で野鳥に感染したため、日本海側にほぼ同時にウイルスが入ったのだろう。渡り鳥が運んだとすると、共通の営巣地か渡りの中継地にウイルスが存在したと推測される」と述べた。

茨城県の野鳥事例

 都築課長は、茨城県内では62羽の野鳥からH5N6亜型ウイルスが確認されたとし、その特徴について「発生時期は11月から1月であり、過去の国内発生時期と比べて早かった。沿岸から少し内陸に入った湖沼や河川で確認され、千波湖や大塚池では周辺に生息している外来種(コブハクチョウ、コクチョウ)の群内に感染が拡大し、続発した。猛禽類や陸生鳥類、傷病野鳥、留鳥への感染は確認されなかった。湖沼検査では4か所でウイルスが検出されたが、いずれもH5N6亜型ではなかった。簡易検査では陰性でも、発育鶏卵接種試験によるウイルス分離で陽性となった個体は17羽で、簡易検査だけでは見逃した可能性が示唆された。野鳥への感染は、家きんの飼養密度が低い地域で確認された」と説明した。

ウイルスの特徴

 常國主任研究員は、国内で確認されたH5N6亜型ウイルスの遺伝子解析結果について、@国内に侵入したウイルスは、遺伝子の組み合わせによって5つのグループに分けられ、そのうちの4つが家きんから分離されたA中国由来のH5N6亜型ウイルスが野鳥に広く浸潤し、営巣地や渡りの中継地で野鳥に存在していたAIウイルスと遺伝子再集合を起こした後に国内に侵入したB感染実験によって、感染しても死なない鶏がいることが確認されたCアヒル、フランス鴨での感染実験によって、株ごとにこれらの宿主に対する病原性が異なることが示されたD茨城県の野鳥からの分離株を系統地理学的解析すると、これらのウイルスが1つの由来から拡散したのではなく、複数のウイルスが一時期に茨城県に侵入したことが示された――と紹介した。

千葉県の対応

 青木主幹は、千葉県旭市の採卵養鶏場で発生したH5N6亜型HPAIへの防疫対応について「発生農場の防疫作業と消毒ポイントの運営などで延べ5029人を動員し、約9700万円の経費がかかった。千葉県では23年の発生経験を踏まえて、農場ごとの防疫計画の作成や10万羽規模の防疫資材の備蓄、防疫活動従事者名簿の整備(1000人)、事前の自衛隊派遣協議、関係団体との協定締結、防疫演習の開催などに努め、今回の一連の防疫措置を72時間以内で完了できた。
 ただ、自衛隊や関係機関と今回の防疫対応を検証した結果、人員の不足と適正配置、防疫資材の不足と備蓄場所の分散、現場での不十分な組織統制と情報伝達の遅滞、現地対策本部から発生現地までの距離、個別防疫計画の熟度などの課題が明らかになった」とし、リーダー・サブリーダーの増員と育成、防疫活動従事者の増員、必要資材の再点検と備蓄量の追加、備蓄場所の集約と保管方法の改善、指揮命令系統の再点検、防疫マニュアルの見直しなどの対応策を実施すると説明した。

鹿児島県の対応

 大小田課長は、出水市のツルのねぐら水をはじめ30事例の野鳥で確認されたH5N6亜型HPAIへの防疫対応について、@出水市の対策本部会議には市長をはじめ市の幹部、養鶏業界、観光業界、建設業界、教育長、県などが幅広く参加A県ツル保護会と鹿児島大学などが連携してツル類の監視を強化B散水車による道路の消毒C市内の宿泊施設などに消毒マットと消毒薬を配布D市内の養鶏農家に消毒薬を配布E愛玩鶏使用者への指導と消毒薬の配布――に取り組んだとした。
 また、マルイ農協グループではAI対策推進チームを常設し、グループ全体で情報・意識を共有して防疫レベルに応じた防疫体制を構築。飼養衛生管理基準の順守と農場の環境整備が日常化していることや、防疫レベル3になると農場内全面への消石灰散布や週2回の噴霧消毒など、高い自衛防疫意識を持って対策を徹底していることを紹介し、「約10万羽の渡り鳥が高密度に生息する場所に隣接して、132農場484万羽の養鶏密集地が存在し、ツルの観光客が20万人訪れる出水市の環境下で監視体制を強化した結果、野鳥など30事例でウイルスが検出されたものの、養鶏場では未発生であった。一般市民から観光業、建設業も含めた関係機関による、官民一体のまち≠挙げた防疫体制が構築されている」と述べた。

茨城県の対応

 大谷課長は、@管内の家きん飼養農場と関係機関、獣医師などに逐次発生情報を提供。年末年始の長期休暇前には野鳥のAI検査結果のとりまとめを送付し、消毒の徹底や異常鶏の早期発見・通報などについて注意を喚起A相談窓口を設置し、12月3日以降は24時間対応Bウイルスの拡散を防止するため、千波湖や大塚池周辺の遊歩道の通行自粛や消石灰の散布など、具体的な対策を水戸市に助言C100羽以上を飼養する家きん飼養農場への消石灰の配布と消毒の指導D防疫対策会議の開催と緊急時の防疫シミュレーションの実施E動物園や水族館への情報提供と技術提供F家きん飼養農場からの異常鶏の通報への対応――などに取り組み、家きん飼養農場でのHPAI発生を未然に防ぐことができたと説明した。

【300人を超える関係者が参加した「シンポジウム・オブ・高病原性鳥インフルエンザ」】



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